長野県阿智村には、村出身の写真家・熊谷元一が生涯にわたり撮影した約5万点の写真が受け継がれています。子どもたちや暮らしを70 年にわたり見つめ続けたその記録は、戦後日本の農村が歩んだ変化と人々の営みそのもの。世界的にもきわめて貴重な文化遺産に他なりません。写真に写る子どもや女性の表情、農村の発展の軌跡には、国境を越えて人々の心に響く普遍的な力があります。阿智村はこのかけがえのない記録を未来へ受け継ぎ、ユネスコ「世界の記憶」登録をめざします。
ユネスコ「世界の記憶」とは
“世界の記憶”(Memory of the World)とは、1992年にスタートした国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の主催する事業の一つで、世界各国に保管されている文書や書物、楽譜や手書きの写本、絵画、地図、ポスター、映画などの記録物を登録し、後世に伝えていこうとするものです。
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世界の記憶 3つのポイント
- 子供を撮る名手
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小学校の先生であった熊谷は「子どもを撮る名手」。戦後の子どもたちの笑顔には、生きる喜びと平和の尊さが宿っています。戦後日本の希望を写した、世界に誇る子どもの記録です。
- 暮らし
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戦前から平成まで70 年にわたり、熊谷は阿智の農村の暮らしを撮り続けました。一軒の農家を一年間毎日撮影した写真も。その写真からは未来を見通すヒントと希望が得られます。
- ジェンダーの視点
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戦後の婦人解放の時代、懸命に生きた女性たちの姿を、熊谷は温かく、誠実に記録しました。『岩波写真文
庫・農村の婦人』は、ジェンダー史を語るうえで欠かせない記録です。

